rumbling rebels

Translations of Rock Lyrics,and so on! Beat Goes On And On!

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Location: TOKYO, Japan

Friday, September 07, 2007

遅かれ早かれ(誰かが知らざるを得ない)~Dedicated Mr. D



























アイツが17歳のときだったと 思う
バイト先に ご機嫌な笑い方をする 先輩がいた。
約二年間、一緒の職場で働いたことになる。

当然のごとく、恋に落ちた。秒殺ってやつです。今で言う。

無論、いまほど、すり切れていないころだったので、
ストレートな愛の言葉なんて、言える訳が無く、

嫌われたら どうしよう とか なんとか 
ありがちな 理由と言い訳だけは

山のように積みあがっていった。

何気ない 会話の中で
その ご機嫌な 笑いかた を
一度でも 多く観られるように、と
無い知恵を 仕事以上に 絞りまくった。

ある日、当時熱狂的に聴いていたラジオ番組に、
その人の為に1曲 一番自分が惹かれている曲を
リクエストすることを思いつく。
無論、DJ宛にそのエピソードを くまなく書いて。
まあ、どうせ、駄目元だ。

なんだかんだと 仕事も繁忙期になり、
毎日をやり過ごすうちに、日々が過ぎていった。

ある月曜の朝、勤め先の会社の都合で、
突然 先輩が 異動になったと聴かされた。

もう、ショックも何も感じる間も無かった。

最後の数週間は、さまざまな すれちがいで、
以前のように多愛もない会話を交わす暇すら なくなってしまっていた。

どうしようもない

初めて 味わう 喪失感だった

不思議な事に 涙も、こみ上げてくる感情もなかった。
今思えば、必死に抑えていたんだと思う。
自分の中の感情が 決壊しないように

それからというもの、それ迄に増して仕事に 精を出した。
無論、なにもかも忘れるためにね。

そんなこんなで、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、と時は過ぎていった。

ある日曜の午後、多分部屋の掃除かなにかをしていたんだと思う。
いつも聴くラジオ番組のリクエスト特集で、
ルーリードや、グレイトフルデッド、CSN&Yなどが
DJがいつもの口調で読み上げる
リクエストカードとともに、オンエアされていった。
デッドのナンバーが終わりかけたとき、
突如としてアルクーパーが奏でるオルガンのイントロが 部屋に鳴り響いた。
ノン・イントロデュースだったが、
まぎれもない、ディランの あの声だった。

思わず ラジオのボリュームを 上げた。

作業の手をとめて、Aメロ、Bメロ、と ディランの言葉に耳を傾けた。
その語り口に呼応するかのような、オルガンが、感情を煽動する。
サビメロに往く直前の あの高揚感と
アウトロで 心の奥に 差し込んでくるような ディランのハーモニカソロ。

多分、家では 家族も思い思いの時間を過ごしていたはずだと思う。
でも、そんなことは 完全に わすれ、その場に 固まっていた。
わずか4分半の間で、フィルムのプレイバックみたいに 
自分でも驚くぐらい、忘れたくっても忘れられない日々が 噴出した。

声こそ あげなかったが 人知れず 濡れた頬を拭った

それ以来 ディランの この曲は 何がどうしたって忘れようが無いんだよね

無論、あの頃のなにもかも。。。。(談)

Taisuke Ebinuma Copyright (C)2007

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